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スクーターに車用エンジンオイルは使える?壊れるリスクと節約効果を徹底解説

バイク整備・メンテナンス

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スクーターに車用オイルはダメか、節約とリスクを解説するイメージ

昨今、ガソリン価格や維持費が上がり続けていますね。

「少しでも維持費を安くしたい」

そう考えて、スクーターに車用のエンジンオイルを入れようと思ったことはありませんか?

実際、車用オイルの中にはバイク用より安いものもあります。

では、スクーターなら車用オイルを使っても大丈夫なのでしょうか?

結論から言うと、スクーターによっては車用オイルを使える場合があります。

ただし、私はオイル代を節約するために車用オイルへ変更することはおすすめしません。

理由はシンプル。

節約できる金額に対して、あえてリスクを取るメリットが小さいからです。

そして、ここで重要なのが、スクーターとマニュアルミッションのバイクでは話が違うということです。

スクーターとマニュアルバイクは、オイルの使われ方が違う

スクーター用と車用のオイル規格の違いを解説する図

まず、ここを理解しておけば話は簡単です。

一般的なマニュアルミッションのバイクでは、エンジンオイルが、

  • エンジン
  • クラッチ
  • ミッション(ギア)

をまとめて潤滑しています。

つまり、1つのオイルで3つの仕事をしています。

特に多くのマニュアルバイクに使われているのが湿式クラッチです。

湿式クラッチとは、簡単に言えばエンジンオイルの中で動くクラッチのこと。

そのため、オイルにはバイク特有の性能が求められます。

一方、自動車用オイルには摩擦を減らすことを目的とした成分が入っているものがあります。特に省燃費タイプの車用オイルに多く含まれます。ただし、すべての車用オイルが必ずクラッチを滑らせるわけではありません。

これが湿式クラッチの滑りにつながる可能性があります。

ヤマハも、自動車用エンジンオイルを二輪車に使用しないよう案内しています。(yamaha-motor.co.jp)

一般的なマニュアルミッションバイクに、車用エンジンオイルを入れるのは基本的にNGです。

では、スクーターはなぜ話が違う?

スクーターは、マニュアルミッションバイクとは構造が違います。

一般的なスクーターでは、乾式クラッチ・CVTの構造で、エンジンオイルで湿式クラッチを潤滑する構造ではありません。

そのため、車用オイルを使用できるケースがあります。

二輪車用オイルの規格である「JASO T903」には、MA・MA1・MA2・MBなどの分類があります。

このうちMBは、湿式クラッチを持たないスクーター向けの分類です。

ただし、MBはあくまで二輪車用オイルの規格です。MBという分類があるからといって、車用オイルの使用が認められているわけではありません。最終的には、メーカーが指定する規格・粘度に合っているかどうかで判断してください。

つまり、「スクーターに車用オイルを入れたら必ず壊れる」というわけではありません。

「使える」と「おすすめ」は別

では、車用オイルが使えるスクーターなら、安い車用オイルを使えばいいのでしょうか?

私はそうは考えません。

オイルにかかる負担は、エンジンの構造や温度、負荷によって変わります。大切なのは、メーカーが指定する規格と粘度を満たしていることです。

さらに、オイル量も比較的少なく、厳しい環境でエンジンを守らなければなりません。

そのため、二輪車用オイルには、熱に耐える性能や、金属部品の間にできる油膜(オイルの薄い膜)を維持する性能などが求められます。

だからこそメーカーは、車種ごとに使用するオイルの規格を指定しています。

つまり、「使えるかもしれないから使う」ではなく、

「指定されているものを使う」というのが基本です。

実際にPCX125で車用オイルを試してみた

私は通勤用のPCX125に、普段はホンダ純正のスクーター用オイルを使っていました。しかし一度だけ、車用オイル10W-30を試しに入れてみました。現在も、そのオイルが入っています。

走り自体に大きな違和感はありませんでした。ただ、「このままエンジンが焼き付かないか」という不安がずっとつきまとい、精神的にはかなりしんどい体験でした。

節約できる金額も大したことはなく、もし通勤途中でエンジンが止まってしまえば、遅刻してしまうリスクもあります。

そのため、次回のオイル交換からは、ホンダ純正に戻すつもりです。

なお、私のPCX160にはホンダ純正の「Pro Honda SCOOTER 5W-30」(JASO MB)を使っています。

70,000km走っても、オイル交換は14回

70,000km走行時の節約額と修理リスクを比較するイメージ

ここで、実際にいくら節約できるのか計算してみます。

この記事では、初回1,000km、その後5,000kmごとに交換という条件で計算します。

70,000kmまで乗ると、交換回数は14回です。

仮に車用オイルに変更することで、1回500円安くなるとしましょう。

(実際の価格差は選ぶオイルによって異なります。純正オイルの1L缶と、車用オイルの4L缶から使う場合を比べると、1回あたり約500〜1,500円程度の差になることが多いです。ここでは分かりやすく500円で計算します)

すると、500円 × 14回 = 7,000円です。

70,000km走って、節約できるのは7,000円。

もちろん、実際の価格差が1,000円なら14,000円、2,000円なら28,000円になります。

それでも考えてみてください。

エンジンを守るための重要なオイルを、わざわざ指定とは違うものに変更してまで節約する金額でしょうか?

もしエンジンにトラブルが起きたら?

ここも大事です。

車用オイルをスクーターに入れたからといって、必ずエンジンが壊れるわけではありません。

オイルの種類や性能、粘度、交換時期、走り方、エンジンの状態など、さまざまな条件が関係するからです。

逆に、「車用オイルなら絶対に問題ない」とも言えません。

もしエンジンに重大なトラブルが起きれば、数百円、数千円のオイル代を節約した意味はなくなります。

修理内容によっては数万円以上の出費になる可能性もあります。

だから私は、「車用オイルを使ったら壊れるからダメ」

ではなく、

「そこまでして節約するメリットがないから使わない」

と考えています。

オイル代を節約するなら、指定規格の中で安いものを選ぶ

オイル代を安くすること自体は悪くありません。

おすすめは、

自分のスクーターが指定している規格を満たしたオイルの中から、安いものを選ぶこと。

例えばオイル缶には、

  • JASO MB
  • SAE 10W-30
  • API SN・SPなど

などの表示があります。

「SAE」はオイルの粘度(硬さ・柔らかさ)を表す規格。

「API」はオイルの性能を分類する規格です。

難しそうに見えますが、基本的には取扱説明書に書かれている条件と同じものを選べばOKです。

安いオイルを選ぶことと、指定外のオイルを使うことは別です。

オイルの種類や選び方については、バイク用エンジンオイルの種類と選び方でも詳しく解説しています。

指定規格(JASO MB)のおすすめスクーター用オイル

Pro Honda SCOOTER 5W-30(ホンダ純正・JASO MB)

筆者がPCX160で実際に使っている、ホンダ純正のスクーター用オイルです。

ヤマルーブ Blue ver. For Scooter 10W-40(JASO MB)

ヤマハ純正のスクーター用オイルです。10W-40指定のスクーターに適しています。

まとめ

スクーターに車用オイルを使えるケースはあります。

しかし、「使える」と「おすすめ」は別です。

一方、一般的なマニュアルミッションバイクは、エンジンオイルがクラッチやミッションにも使われるため、車用オイルは基本的にNGです。

スクーターなら車用オイルが使える可能性がある。

それでも、70,000kmで14回交換、1回500円の差なら、

節約できるのは合計7,000円。

そのために、わざわざ指定とは違うオイルを選ぶ必要があるでしょうか?

私は、

「指定された規格のオイルを使い、その中から安い商品を選ぶ」

これが一番合理的だと思います。

オイルは、エンジンを守るための消耗品。

数百円を節約するなら、オイルの種類を変えるのではなく、同じ指定規格の中で安いものを探す。

これが、スクーターを長く乗るためのシンプルな節約方法です。

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